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サイト日記。G-DEFEND西橋カプ多し。
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続きを。
だって前回西脇が出てこなかったので…。

というより本元某ゲームはGDやBLにまったく関係ないノーマル恋愛ものです。
西橋を期待して見たら大間違いですので悪しからず。
むしろやるならPS2の方がいいんじゃないでしょうか。PCはちょっと…色々問題が。

普通は主人公と他キャラがくっつくゲームなのですが、これは西橋なので西橋以外の選択肢はなしってことでお願いします。
紫乃さんは現実ではGDに勤務しておらず、GDキャラは全員(西脇含め)紫乃さんの元の世界にいないということで。

やたらに長い階段を降りて、塔を出るとそこはちょっとした市街地だった。
家や店が立ち並び、にぎやかな町の風景が続いている。
(どこが危険?)
尾美の言葉を思い出して頭を捻った。
しばらくはそうしていたものの、橋爪は白衣姿のまま。どこへ行ったら良いか考えがつきかねていた。
(まあ夢だから、いいか)

そのままふらふらと周りを眺めつつ木立の中を抜けていくと、いつの間にか大きな門の前に来ていた。
その向こうには広大な庭園と、屋敷と呼ぶに相応しい建物が見える。

「大きな屋敷だな…」
そう口に出した時だった。

「お兄さん、この屋敷に何か用?」
「ええ、ちょっと道を───」

振り向いて仰天した。
そこには、中学生ぐらいと思われる少年が二人、立っていたからだ。
しかしただ立っているだけではない。2メートルはあろうかという長い柄の、大きな斧を持っていた。そしてその鎌が二つ、橋爪に向けられていたのだ。…笑顔つきで。

「なーなーお兄さん、怪しい奴?」
「こんなところに来るんだから、怪しい奴だよな? そう思わねぇ坂口」
「うん、そう思うぜ本木」

黒髪の少年たちだった。
そんな彼らが、にこにこと笑いながら橋爪に対して斧を向けている。彼らから感じるのはまぎれもない殺気だ。それを本能的に理解して橋爪は身を強張らせた。

「わ、私は怪しい者ではありません」
「ふーん、そっかー。てゆっか、怪しい奴じゃないって自分で言うほど怪しくね? 坂口」
「本当だよな。怪しいよ本木」

物騒な会話を少年の二人は交し合う。
どうやら本木と坂口というのが彼らの名前らしい。だがそんなことはどうでも良かった。
なぜならば二人は、なおも微笑みながら橋爪に向かって言ったからだった。

「人が通るのって久しぶりだよな。怪しい奴は俺ら片っ端から切っちゃうから」
「でも俺ら門番だから。仕事はしなくちゃなぁ本木」
「そうだよな坂口」
「お兄さん遊ぼうぜ」
「遊ぼうぜ。───今なら、タダで楽にしてあげるからさ」

無邪気な微笑がこれほど恐ろしいとは。橋爪の鳩尾にじわりと汗が滲む。
二人はまぎれもなく、橋爪を斬るつもりなのだ。思えば、『危険だ』と言った尾美の言葉は決して誇張ではなかったのだ。
夢の終わりにしても、斧で惨殺されるとは……。

そう思った時だった。
「お前ら、何やってんの?」





固く目を瞑った橋爪の耳に、違う人間の声が飛び込んできた。
ゆっくりと目を開けると、そこに居たのはまたしてもウサギ耳の青年だった。
しかし、アレクとは違う。
赤い髪と赤い瞳、白いふわふわの耳をした、綺麗なウサギだった。

「まぁたサボってんの? 門番」
「邪魔すんなよ。俺ら仕事中なんだから」

少年が嫌そうにウサギをはねつける。だが彼はそれを気にした様子もなく、橋爪の前にやってきた。

「ふーん…ねえ、あなた悪いひと?」
「は?」

いっそ綺麗な顔立ちをした彼は、にこやかにそう尋ねてくる。窮地を救ってもらったのは有難いが、何故にこうも同じ質問ばかりされるのだろうと橋爪は考えた。
だがその考えは実を結ぶことはなかった。
チャキ、と小さな音がしたかと思ったその時には既に、何かが橋爪の喉に押し当てられていたからだ。

ウサギ耳の彼は銃を橋爪に向けていた。
いつの間に抜いたのか、気付きもしなかった。
喉の肌に感じる冷たい温度。それに橋爪が気付いて身を強張らせても、彼はにこにこと人の良い笑みを浮かべていた。
少年たちと違って殺気の欠片も見えない。
───それが余計に、怖かった。

だが彼は一向に動かない。その代わり、横から文句が飛んだ。

「あー、俺たちと遊んでもらうのにー。何するんだよ宇崎ウサギ」
「そうだそうだ、りんごウサギ」
「俺はウサギじゃないっつーの!」

どう見てもウサギだ。

状況を忘れて橋爪はそう突っ込みを入れたくなった。
しかし、門番の少年たちを怒鳴る間にもウサギの彼は手を緩めないし、相変わらず橋爪の喉に銃口を突きつけたまま。それはぴたりと止まったかのように、微動だにしなかった。
それで彼が、銃に慣れた者であると知る。このままいくと、彼の銃から出た弾が橋爪の首を突きぬけるか脳を打ち砕くのだろう。

ひとしきりぎゃあぎゃあ騒いだ後、ようやくウサギの彼は「で、どうなの?」とにこやかに笑って橋爪に向き直ってきた。

「わ、わたしは良い人かどうかは分かりませんが、そこまで悪い人間ではないと思います」
「ふーん、そう」

口が強張った。
それでも何とか橋爪はそう告げた。
それなのに、彼は。

「でも俺は悪いひとなんだよ。ごめんね?」

花のように笑った。
そして彼の、とうにトリガーにかかっていた指がわずかに動いた───見えるはずもないのにそう感じた。

───ああ、死んだな。

人事のようにそう思った。斧でないだけまだマシか、と埒も無いことを考えた。
覚悟して再び目をぎゅっと瞑った。その瞬間、耳と頭を揺さぶる銃声が響いた。





「…?」

硝煙のにおいがわずかに鼻を掠めた。ところが予想していた痛みは全く訪れてこない。
橋爪はおそるおそる瞼を開いた。

「なんで止めるんだよ」
「お前たち、俺の許可なしには敷地内で殺すなと言っただろう? 何回言えば覚えるんだ」

生きてる。
いつの間にか、ウサギたち三人と橋爪の間に男が立っていた。
その彼が、ウサギの銃を持っていた腕を弾いて弾道を逸らしてくれたのだ。

「だって」
「出来ない命令をした覚えはないぞ、宇崎」

会話からすると彼はウサギよりもまた上の人物であるらしい。
そして随分と背の高い男ようだ。無意識の内に下を向いていた橋爪は顔を上げた。
───そして、あっと驚いた。

「…!」

燕尾服なのだか乗馬服なのだか分からない礼服、その色は白。
胸元のダークグリーンのリボンタイ。そして奇妙な黒の天鵞絨の帽子にはトランプと羽と、赤い薔薇があしらわれている。
だがその奇妙な格好よりも橋爪を驚かせたのは彼の顔だ。
かつて片思いをして振られた 『彼』 と同じ顔をしていた。

「でもさー西脇。帽子屋ファミリーの屋敷に来るぐらいだもん、悪いひとに決まってるでしょ?」
「違ったらどうするんだ」
「だからとりあえず撃ってみればいいじゃない」
「! …じょ、冗談じゃありませんよ! 撃ったら死んでしまうでしょう!」

相変わらずウサギ───宇崎と新しく現れた男、西脇の会話は続いていた。
そこに割って入った橋爪に、二人は驚いたように目を向ける。

「何だよー、やっぱり撃」
「待て」

銃を持った宇崎を制して、西脇が橋爪を見下ろした。
無遠慮とも呼べるその視線。値踏みするような、何かを確かめるようなその目に橋爪は何度目かの居心地の悪さを覚えた。

彼はじっと橋爪を見ている。
決して好意的ではないそれを、橋爪も負けじと真っ向から返した。すると西脇は、手にしたステッキをくるりと一度回して「ふーん」と呟いた。

「あんた、名前は?」
「…ひとに尋ねる前にまず御自分から名乗られたらいかがです」

橋爪は毒づいた。
一応危機は救ってもらったらしいが、一度どころか二度死んだも同然なのだ。これで本当に殺されるかもしれないが、知ったことではないと橋爪は自暴自棄になっていた。





何にしても、これが夢にしても酷過ぎる。
まだ自分は 『あの男』 のことを想っていたのか、と気づかされたような気がして本気で不快になった。

恋をして、振られた。
「ごめん、僕は君の姉さんが好きなんだ」と残酷なほどに優しく橋爪を捨てて行った。
彼はこんな変な格好をしていないし、こんなに冷たい目で橋爪を見なかった。
それでも同じ顔をした彼が憎いと思った。

それが目線にも声にも現れていたのだろう。だが彼は気にすることなく───それどころか明らかな興味をその瞳に浮かべて口の端で笑ってみせたのだった。

「これは失礼。俺は西脇だ、西脇巽」

そう言ってかぶった帽子を軽く上げる。どこかおどけたようなその仕草も、顔の造形が整っているだけに伊達男のふるまいにしか見えない。それがまた腹立たしかった。

「私は橋爪です。橋爪紫乃」
「医者なのか?」
「はい」

橋爪が着た白衣を見てだろう。西脇はそう問うた。
そして更に、言った。

「あんた、余所者だろう」
「───余所者!? この人が!?」

西脇の余裕ある断言に肯定するより先に驚きの声が上がったのは彼の隣からだ。
宇崎も、門番の少年たちも目を丸くしていた。

「そうです。そう言われました」

捨てるようにそう答えると、西脇以外の三人はへえともほおともつかぬ声を漏らした。「この人がねえ…余所者って俺はじめて見るわ」と宇崎は呟いた。

「面白いな」

ひとり、笑んでいたのは西脇だ。
希少な動物を見るように目をきらきらさせた三人の中で、ひとり態度を崩さなかったのは。

「しばらく退屈しなくて済みそうだ」

彼は展開のつかめない橋爪に向かいそう言うと、手にしたステッキの頭、小さな帽子と水晶のモチーフで出来たそれで大門を軽く叩いた。
開門、とひとこと告げるだけでいかにも重そうな門が自動的に左右に開いていく。

その門の内に、宇崎と門番の二人は笑いながら入っていく。
呆然と立ち尽くしてそれを眺める橋爪に、西脇は振り返ってその手を差し伸べてきた。
そびえ立つ門を背に堂々と笑う男は、それ以上の何か大きなものを背後に抱いているような気がしてならなかった。

「茶会には客を招くルールだ。あんたを帽子屋のパーティに招待しよう、ドクター」

───その、笑み。
悪辣なものを含んだ、としか表現しようのない瞳を持つ男に何故従ってしまったのか分からない。

「………」
それでも橋爪は差し出されたその手に、己がそれを重ねた。








こんな感じですかね。
うささんと門番の配役に悩んだんですがね…。

本当は門番、最初は壇兄弟でした。
しかしあの二人の性格がいまいちつかめない上に原作が少年だしで却下。次は石川さんとマーティだったんですよ。
でもやっぱりちょっと違うかなあと思って途中で変更しました。

出来れば、うささんの役も本木がいいんですが(盲目的にボスが好き、という原作なので)。または白雪…じゃない、池上とか。
でも、うささんはここで出さないともう出てこないと思ったので。
ゲームご存知の方、もっと良い配役があったら教えてください。

一応この先の続きを(ゲームを知らない方が殆どでしょうから)。

ドクターは西が嫌いです。西がというより西の顔が大の苦手。
前振られた人(西脇にそっくり)は優しくて温和で親切で、という感じです。
それで性格のまるきり違う西脇も苦手なのですが、あまりに違いすぎるために違和感も薄くなっていったころに、いきなり押し倒されます。
恋愛感情なしで。いきなりですよ。
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